Pixelシリーズ初の「100倍ズーム」。
「遠くのものを手軽に撮影できるなんて夢みたい!」と思った方も多いでしょう。私自身、Pixel 10 Proを購入した理由の一つがこの新機能でした。
しかし実際に試してみると、期待通りとは言えませんでした。今回は実際に100倍ズームを使ってみて分かったことを、正直にお伝えします。
結論から言えば――100倍ズームはネタや遊び用としては楽しいが、実用的ではないです。
100倍ズームはAI補正頼み

Pixel 10 Proの100倍ズームは、スマホの小さなカメラで無理をして拡大した映像をAIが補正して「それっぽく」仕上げています。
- 元が鮮明ならある程度見られる写真になる
- しかし多くの場合、補正が強すぎて「AIが描いた絵」に近い仕上がりになる
つまり、現実を忠実に写すというより「AIが想像した映像」を見せられている感覚です。
実物と比べれば比べるほど「なんか違う」という感想になります。さながら間違い探しです。
実際に試して分かった100倍ズームの得意・不得意
試行錯誤した結果、100倍ズームには次の特徴があると分かりました。
得意なもの

- タワーや灯台など、細かい装飾のない建造物
- 白地に赤文字など、コントラストの強いアルファベット
苦手なもの

- 人物や細かい模様 → のっぺりした写真に
- 画数の多い漢字 → 潰れて読めなくなる
- 遠距離すぎる被写体(1km以上先など) → ただの“ぼやけた物体”に
まとめると細かい装飾のないものは比較的綺麗に撮影できます。
作例:100倍ズームの成功と失敗の比較

180m先の自販機 → 「KIRIN」の文字ははっきり読める反面ペットボトルは判別不能

1.5km先の飛行機 → シルエットは捉えられているが窓が消えて鉄の塊のように。
ミサイルっぽい…。

3km先の看板 → 文字が潰れて判読不能。何だか異世界っぽさがある写真に。
このように「条件が良ければ読める文字もあるが、多くは使えない」というのが現実です。
100倍ズームが実用的に使えるシーンはあるのか?

率直に言うと、日常生活で100倍ズームが必要になる場面はほぼありません。
50倍程度までなら実物に近い写真が撮れるため、実用性を求めるなら100倍ではなく30〜50倍ズームまでが限度だと感じました。
ただし、以下のような“ネタ用途”なら楽しめます。
- 「あそこに何て書いてあるんだろう?」をズームでチェックする
- 望遠鏡代わりに風景をのぞく
- 友達に「これ100倍ズームで撮ったんだよ」と話題作りにする
まとめ:100倍ズームは「おまけ機能」と割り切るべき

Pixel 10 Proの100倍ズームは、AI補正が強く働くため「真実を写した写真」とは言いがたいものが多いです。
過度な期待は禁物で、あくまで遊びやネタで楽しむ機能と考えるのが良いでしょう。
- 実用性を求めるなら50倍程度まで
- 100倍ズームは「AIが描いた世界」を楽しむもの
- 将来の進化に期待しつつ、現時点では“おまけ機能”
Pixel 10 Proを検討している方は、この点を理解したうえで購入判断することをおすすめします。
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